プロのアイドルやアーティストの方であれば、所属事務所を通じて楽曲提供を募ることが出来ます。
・・・しかしアマチュアの方や、これからこの世界を目指す方にとってはそうはいきません。
特に、所属事務所がなくて、音楽経験なしという、【地下アイドル】として活動されている方にとっては、「オリジナル楽曲を作れるかどうか」・・・ここが大きな試練となることでしょう。
そこで本記事では、これから活動をスタートしたいあなたに向けて、オリジナル曲を作るための方法を簡単にご紹介します。
難しい専門用語や複雑な解説は出来るだけ省きましたので、この記事があなたの輝かしいアイドル活動の第一歩のお手伝いになれば嬉しいです。
この3つを覚えておけば大丈夫! 音楽の仕組みをマスターしよう
音楽は膨大な理論の上に成り立ちます。
ひとたび教則本や解説サイトを開けば専門用語の嵐で、もう何が何だか…という方も多いでしょう。
しかし、その基本に関する部分は、実は至ってシンプル。
「3つのポイント」さえ押さえていれば、実は音楽というものは誰でも楽曲を作れるようになっているのです。
その3つを紹介していきますね。
1.魔法のことば「全全半全全全半」
音楽は「ある法則」に従って、使用してOKの音とNGの音に分けることが出来ます。
これさえ知っていれば、仮に適当に音を並べたとしても、理論上は音楽が成立するという訳です。
そしてその法則は、至ってシンプルです。
まずはこちらの画像をご覧ください。

「ドレミファソラシド」という並び方は、実は理論を覚える上で極めて重要な意味合いがあります。
注目すべきは「ミとファ」、「シとド」の位置です。
この二つは「半音」の関係にありますね。
それ以外の2音間はすべて、間に黒鍵が挟まっているので「全音」の関係になります。
この全音と半音の位置関係に注目しましょう。
ドからスタートして、ド→レは全音、レ→ミは全音、ミ→ファは半音…。
そしてこれを繰り返すと、以下のようになります。
【全 全 半 全 全 全 半】
この並びで導き出される音こそが「使って良い音」になります。
今は「ド」からスタートしていますが、「ソ」から始めても「ラ」から始めても、この全全半全全全半の並びさえ崩さなければ、簡単に導き出すことが出来ます。
次に、例として「レ」から始めた場合を見てみましょう。

これも「全全半全全全半」の並びに従っていることが分かります。
ちなみにこの並び方のことを「長調」などと呼んだりします。
2.音のたし算で和音を作ろう
異なる高さの音を3つ重ねることで「和音」という1つの塊としてとらえることが出来ます。そのすべての基礎となるのが「ドミソ」のように3つからなる和音です。
先ほどのピアノを見てみましょう。

ド→ミは、当然ですがレを飛ばしています。
ミ→ソも同様にファを飛ばしています。
この「1個ずつ飛ばして音を3つ重ねる」というのが、和音のスタート地点です。
ファから始まる和音ならファラド、ソから始まる和音ならソシレということになりますね。
そして、曲中でこの和音をいかに組み合わせるかによって、曲の雰囲気が決定します。
明るくてハッピーな曲も、冷たくて悲しい曲も、すべてはこの組み合わせ次第でいくらでも作れてしまうのです。
是非、自分の好きなパターンを研究してみて下さい。
3.和音のキメ手は「真ん中の音」
では、どうすれば明るい和音になって、どうすれば悲しい和音になるのでしょうか。
その決め手は「和音の真ん中」です。
「ドミソ」を例に取ってみましょう。
ド→ミと、ミ→ソにかけて「半音で何個分移動しているか」を数えてみて下さい。
ド→ミは4つ、ミ→ソにかけては3つ、つまり「4・3」になっていますね。
この場合は、明るい和音になります。
逆にこれが「3・4」の時は、暗い(悲しい)和音になります。
「ラドミ」や「ミソシ」などが当てはまります。
コツとしては、曲もしくはフレーズの最初に明るい和音を持ってくれば曲全体が明るく聴こえ、悲しい和音を持って来れば悲しい曲になります。
売れ線メロディに共通する「あるテクニック」とは…
先ほどのブロックでは、音楽の基礎的な部分をお伝えしました。
ここまでのことが理解出来れば、音楽理論の半分以上をマスターしたようなものです。
次からは、より実践的に「売れる音楽」を作るにはどうすればよいかをお教えします。
リフレイン(繰り返し)
音楽は意外と「シンプルイズベスト」が好まれる傾向にあります。
そのことをもっとも体現しているのが、このリフレインというテクニックです。
リフレインとは、短いフレーズを何度も繰り返すことを指します。
ポップやロックなどジャンルの垣根を超え、このテクニックはあらゆる場面で活用できるものです。
例えばAKB48『会いたかった』のサビを例にしてみましょう。
この楽曲は4小節を1まとまりにして、同じような音程の流れが4回繰り返されていることが分かります。
実際にこのテクニックを使う際には、もっと短いフレーズでも構いません。
たとえば欅坂46『ガラスを割れ!』のサビでは、2小節を1まとまりにし、2パターンの繰り返しが交互に現れていますね。
「リフレイン」は、音楽ジャンルを問わずあらゆる場面で活用できるため、是非とも押さえておきたいテクニックです。
リズムは「休符」を意識しよう!
作曲初心者は、音をついつい詰め込みがちになってしまいます。
これではせっかくのメロディがぼやけてしまい、散漫な印象を与えます。
そのため意識的に休符、つまり「空白」を入れるのがコツです。
特にアイドルソングという性質上、「観客との掛け合い」を前提に曲を作る必要があります。
ボーカルが歌い、合間で観客が合いの手を打つ。
これを意図的に作れるようになると、楽曲的にもパフォーマンス的にもレベルが一つ上がります。
テンポや曲調に左右されるので一概にこうした方が良いということはありませんが、目安としては「3小節歌ったら1小節は休む」くらいが丁度良いでしょう。
あるいは短くこまめに入れることでスピード感を演出しても面白いですね。
ここはセンスの見せ所ですので、色々な楽曲を聞いて是非研究してみて下さい。
ボーカルは10秒以内に登場
私たち人間は、この情報化社会において「情報の取捨選択」を瞬時に行うことを余儀なくされています。
それは音楽においても同じことで、これは好みではないと切り捨てられたら、せっかくの曲を最後まで聴いてもらえなくなってしまいます。
そして、その目安は「曲が始まってから10秒前後」です。
ここでAメロでも、掛け声でもコーラスでも、何でも構いません。
何かしら入れましょう。
歌うことができる「声域」を確認して、役割分担を決めよう
作曲にのめり込むとしばしば「人間が歌う」ということを忘れがちです。
特に初心者がやりがちなのが、「メロディが高音すぎて、喉を酷使しなければ歌えない」という曲を作ってしまうことです。
仮にその音程を出せていたとしても、それはまるで悲鳴のように甲高い声。
当然楽曲のクオリティにも影響します。
そのため、自分や他メンバーの出せる音域を確認しておきましょう。
重要なのは「歌として自然に発声できる範囲」であるということです。
女性であればA3(低いラ)~D5(高いレ)くらいまでが出しやすい領域と言われています。
もちろん音域は人によりますので、ソプラノ適正の方はそこからもう少し高め、アルト適性の方はもう少し低めの声までは出しやすいかと思います。
メンバーそれぞれの得意音域で役割分担し、難しい部分は全員で歌ってカバーするなど、「誰がどう歌うか」という所までを考えられると、よりスマートな楽曲に仕上がります。
楽曲を作れる人に依頼するという “奥の手”
色々挑戦してみたけど、やっぱり作曲なんて無理。
・・・そんなときは、思い切って誰かに依頼しちゃいましょう!
幸いにもインターネットの発達した現代では、特に難しい手続きも無く、個人同士で取引できるサイトがいくつもあります。
例えば「スキルのフリーマーケット」を謳う『ココナラ』、国内最大級のクラウドソーシングサイト『ランサーズ』、近年急成長中の『Cloudworks』などがあります。
中でも、アマチュアの方でも簡単に依頼・出品が出来る『ココナラ』は筆者イチオシのサイトです。
様々なジャンルの出品があるので見ているだけでも楽しいですし、欲しいサービスが無ければ、自分から依頼することも出来ちゃいます。
「ココナラを使って、楽曲を依頼してみたい!」という人は、下記の記事を参考にしてみてください。
まとめとして
この記事で紹介したノウハウは、いわば「基礎練習」の部分にあたります。
今すぐ効果を実感できるものではありませんが、ここで練習を積んでおくと、1年後2年後と時を経るにつれてきっと大きな違いになってきます。
一歩一歩積み重ねていけば確実に成長できるはずです。
全力で頑張って、時には休んで、いつかその輝かしい栄光を手に入れられることを願っています。